6. 第28回関東同窓会総会・懇親会開催(2002.7.10)

by — on

平成14年度の関東同窓会総会が、7月5日午後6時より、学生の街お茶の水の中央大学駿河台記念館2階大ホールにて開催されました。金曜日の夜にもかかわらず昨年に倍する約二百名の会員が集い旧交をあたため交誼を深めました。

 会費は例年5000円でしたが、今年は3000円と大幅に値下げしました。また、学生さんには負担にならないよう1000円の学割会費を設定しました。

 平成11年の総会から、各界で活躍中の 同窓生を講師に招聘しお話戴く時間を設け好評を博していますが、本年は「声に出して読みたい日本語」で一躍文芸界の寵児となった95期の齋藤孝氏にスピーチをお願いしました。

・齋藤孝氏講演要旨 (1)赤・青・緑の3色技法について 赤・・・客観的に大事 青・・・まあ大事 緑・・・主観的に大事 本であれば3色ボールペンで線を引くことで自分の読取り方が把握できる。官僚の答弁には緑がない。話術の名手は赤と緑のバランスがよい。

(2) 静岡の人間はよくも悪くも「ヌルヌル」している 静岡の人間は決して「いや」と言えない人種。(笑) 断ったつもりでも相手にはぜんぜん伝わっておらず、結果的に何でもかんでも受けてしまう。しかし、このなまヌルイ感覚が意外に粘り強くがんばる気質にもつながっており、ヌルヌル感が静岡市民の欠点であり美質でもある。(拍手)

(3)司会者から「時間です」のメモを受取ってからの齋藤氏は、まさにヌルヌルの極致。「時間です」は齋藤語では「もっとやってください」と読み下すのかも知れない。話の内容は赤いボールペンから緑のボールペンに完全にギアチェンジされ、舌はなめらかに、言葉はそれまでの3倍くらいのスピードではじき出され、すでにアルコールの入っていた聴衆は氏の独特の話芸にさらに深く酩酊した一時間でした。

齋藤孝氏のホームページアドレスは下記の通り http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/

また、文部科学大臣で73期の遠山敦子氏が一同窓生として総会に参加されました。氏は文化庁長官・トルコ大使・国立西洋美術館理事長歴任の後昨年の4月に文部科学大臣に就任。分刻みの忙しい公務の間を縫って到着した氏はショートスピーチのあと同窓生とのしばしの懇談を楽しんでおられました。

・遠山敦子氏スピーチ要旨  34年間国家公務員として勤めた後トルコへ大使として3年2ヵ月赴任。面白いと同時に責任の重い仕事に身の引き締まる思いでした。トルコの人は徹底的な愛国者ぞろいで日本とのちがいを感じました。

 大臣としてスポーツも所管しているのでワールドカップサッカーも見に行きました。日本トルコ戦はトルコ大使だった縁もあり「どちらを応援するのか」と聞かれることもありました。トルコの人は国歌が流れて来ただけで居ずまいを正す程の愛国者であり、もし自分がトルコを応援したらトルコの人から「おまえはトルコ人か」と逆に叱責されるのが落ちなのでやはり日本を応援しました。(笑)また、自分は今までずっと「晴れ女」だったのですが、トルコ戦のとき仙台駅に降り立ったらひどい雨で「悪い予感が・・・」(笑)

 学生時代から政治には関わりたくないと考えていた自分だったので文部科学大臣への就任には迷いがありましたが、三顧之礼のような要請に断りきれず引き受けました。しかし、「引き受けた以上はさわやかにやる」というのが主義。文部科学省は教育・科学・文化・スポーツの4分野を統括する非常に守備範囲の広い役所で身体がいくつあっても足らないような状態ですががんばっています。

 同窓会では若手ばりばり世代齋藤孝氏の歯切れ良く元気さ溢れる話。世の中の重鎮として活躍中の遠山敦子氏の颯爽とした話。さまざまな年令の人を結び付ける同窓会という縦のつながりを実感するお二人のスピーチでした。

 本年度の総会の当番期は80期でした。統括の吉野卓史氏司会の上出和子氏ほか80期同窓生の皆様ごくろうさまでした。