300. 第34回異業種交流会が開催されました (2024.07.28)

6月14日(金)日比谷・日本プレスセンター9階大会議室に33名が集まりました。

異業種交流会の前半は、98期・室田真男氏(東京工業大学教授 リベラルアーツ研究教育院副研究教育院長)をお招きし、「新時代の学び︰変革する学びと変わらない学び」をテーマに<以前の学び>、<現代の学び>、<古来のリベラルアーツ教育>、<今のリベラルアーツ教育>について、約30分お話ししていただきました。

前半は室田氏によるスピーチ(一部紹介)

定型的なことがより効率的にできるようになるというのが従来の学びです。典型的な学習法としては、記憶する・繰り返し練習する・応用問題を練習するなどで、いかに早く正解に辿り着くかというのが目標でした。

現代社会変革時代は予測不可能な未来と言われ、大変革時代とも言われています。不安定で不確実で、複雑で曖昧で、正解を出す力が無意味化してきています。 では何をどう教えればいいのかというのが喫緊の課題です。今までに起こったことのない問題に対処しなければいけない。また一人では解決できない問題がほとんどです。そこで何が求められているかというと、適応力のある知識が必要です。従来のような学びだと、決まった業務しか太刀打ちできない。チームで解決する力が必要ということについては、リーダーシップの存在が注目を集めています。ただ、従来の典型的な学習方法による基礎学習は決して悪いことではなく、必要です。これをそのまま適応力のある専門家に引き上げる。新しい事象に、持っている専門知識を適用できる人たちをどうやって育てられるかというのが、これからの学びの考え方です。

例えば、車を自分で運転すると地図は覚えるけれど、助手席に座って、運転者に運転をしてもらって移動しても全然地図を覚えない。運転者と同じ景色を見ているけれど、能動的に学習しない限り身につかない。知識は、自分で作っていかなくてはいけないということです。その能動的学習の手法・考え方が、アクティブラーニングです。当大学の授業では、「議論」や「人に教えること」を手法として用いています。

今の社会に必要な能力とは、文脈が異なる状況にも適用できるように知識に適応力がある、あるいは転移可能な専門知識を身につけるということです。 対話をするということは、相手がいるわけですから、相手の立場を客観視して、それに合わせて自分の意識で考えを再構築し言語化する。つまり相手に話す時、相手がどういう立場であるかと自分で想定して、自分で考えていることを相手はどう捉えるかというのを考えて、そして言語化するということですので、知識の練り直しに繋がるわけです。聞くということは、相手の言うことをまず肯定的に受け入れて共感して、自分の知識と比較する。その後、再構成するということです。 (つづきは、会報98号(2024年12月発行)に掲載されます。)

講演する室田氏

後半は懇親会

参加者それぞれの仕事や近況を紹介していただいたあと、引き続き懇親会を行いました。それぞれの自己紹介を聞いて、自分の業種に近い方、同じ世代の方に話しかける方や、逆に自分とは全く違う道を選んでいる方に話を聞いて刺激をうけている方など、さまざまな交流が見受けられました。初対面でも信頼し合える人間関係が既にできているコミュニティであることは、同窓会の特長と言えるでしょう。

懇親会での交流

今回も仕事の関係で、急きょキャンセルになってしまった方が6名いらっしゃいました。全員揃えば40名という規模に異業種交流会も育ってきました。今後も、関東同窓会のオリジナルイベントとして、年2回の開催をしていきますので、お気軽にご参加ください。