「震災の備えは大丈夫ですか?」
関東同窓会有志による岩手ツアーを4月13-14日に開催しました。東日本大震災から13年を経過し、能登半島で地震があったばかりのタイミング。今年は陸前高田市で仮設住宅に宿泊するとともに、防災・減災の学習プログラムに参加し、震災への備えについて改めて考えました。
ツアーは震災復興のNPO「Save Iwate」を運営する寺井良夫氏(92期)の陣中見舞いを兼ねて2014年から実施しています。今年は87-94期の9人が参加しました。
「3.11仮設住宅体験館」は、震災後に仮設が並んでいた旧米崎中学校の敷地内に、実際に利用していた施設を使って2021年秋に開設しました。住宅内部には当時の使っていたテーブルやラックなども残り、生活の様子をうかがわせました。日常生活は送れますが、やはり狭苦しい感じは否めません。隣との壁の薄さも気になります。室内には「冬は結露が大変だった」とか、「隙間から虫やカエルが入ってきた」など体験を記したメモが貼ってありました。
旧校舎(現在は陸前高田グローバルキャンパスとして利用されている)で行われた防災関連の学習プログラムに参加しました。震災後の避難所で1人当たりのスペースは2平方メートル。床は固く、寒い、段ボールを敷き毛布にくるまったが落ち着かない、アルミのシートは汗が中に籠もり、メリメリ音がするので夜は他人の迷惑になり使いにくい、と感じました。
震災への備えを問われました。被災直後に家族と安否確認する手順を整えているか(災害用伝言ダイヤルの171番)。避難所でなく家で生き延びるための準備はできているか(耐震化や家具固定等々)。在宅避難のためには1週間分の水や食料が欠かせないが大丈夫か。とりわけトイレの準備は何より重要と、何度も念押しされました。
プログラム終了後、「帰ったらまず何をやるか」と尋ねられました。反応は、安否確認の伝言ダイヤルをセットする、携帯トイレを購入する、本日の学習メッセージをネットやSNSで拡散する、等々。ツアー後のメールやり取りでは、さっそく「171を利用可能に整えた」「友人に話をした」などの報告がありました。
きちんとした災害への備えは自分や家族の身を守るだけでなく、被害の縮小や必要な支援の軽減を通じて被災地全体にも役立つ。関東や静岡でいつ大地震があってもおかしくない。震災を他人事でなく、自分自身の問題として向き合っているか。改めて考えました。