281. 異業種交流会報告 (2023.8.5)

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第31回異業種交流会を開催 ~業種、世代を超えた交流~

1月27日(金)日本プレスセンター会議室にて第31回異業種交流会が開催されました。参加者は22名でした。 今回は、119期・岩田匡平氏(株式会社BuySell Technologies代表取締役社長兼CEO/株式会社AViC共同創業者)に30分程、大変興味深いスピーチをしていただきました。 以下、岩田氏のスピーチの内容です。

第31回異業種交流会の様子


バイセル岩田社長がスピーチ リユース市場を開拓

私は静高を卒業後、東大工学部に行っております。システム創成学科で、社会システムを創成していくという思想に立って民・官に人を輩出するという科を卒業しました。 新卒で株式会社博報堂という広告代理店に入社し6年程勤めた後、2014年4月1日、初めて個人で脱サラ起業をしOWL(アウル)株式会社を立ち上げました。 その会社でバイセルテクノロジーズという会社の経営コンサルを担い、2017 年10月、M&Aを行うと同時にCEOに就任しました。 OWL株式会社(現AViC)には、バイセルに参入後も創業株主としてずっと経営を続けて参りまして、2022年6月30日に株式会社AViCも東証グロース市場にIPO(新規公開株上場)をしています。

岩田匡平氏


反骨精神が培われた少年時代

私は焼津市出身で、父親は焼津港を中心とした遠洋漁業の漁師で舟元でした。 この港町で海を背景に育ちましたが、漁業の衰退と共に街全体の景気も下がっていて、私が十代の頃はかなり治安も悪くなっていました。 大人たちを信頼できずに社会に対する不信感というものが心の中に渦巻いており、なかなか将来に希望を持てず、勉強せずに遊んでばかりいました。 地域の大人たちからも見下されているように感じて、いつか見返してやろうという反骨精神、ハングリーさが培われたと今となっては思います。

東証の鐘を二度打鍾の幸運

こちらが、私が35歳の時に東証にて、バイセルテクノロジーズ上場時に打鐘させていただいた時の写真です。 2019年12月ですので、まだコロナ前ということで、東証の荘厳たる鐘の前で打鍾させていただいたのですが、その後すぐにコロナがやって来て新規上場事業のこの「鐘を叩く」という一大イベントは中止されていました。 AViCが上場した時は、ラッキーなことに打鍾が復活していて、コロナ前・後で、人生しかも30代のうちに二度、打鍾をさせていただいています。

東証における岩田氏の打鐘


合致した三つのポリシー

私は30歳で起業しましたが、当初より事業を選択する上での個人的なポリシーが三つあります。事業を選択した瞬間で経営者の仕事は8割を終えていると考えています。 なるべくイージーゲームをして勝っていくというのが経営者としては重要で、この三つに合致する市場、ビジネスはないか、コンサルをしながら探していました。 そしてバイセルテクノロジーズを買収し、リユース品の買取・売却事業に進出しました。

1.市場が馬鹿でかいこと

中古不動産の売買を除く古物市場、我々が扱うところでは切手・着物・骨とう品・ブランドバッグ・貴金属ジュエリーという商材を全部合わせると3兆円の二次流通マーケットが存在します。 これは非常に大きい市場であり一つ目の条件をクリアしました。

2.競合環境がゆるいこと

二つ目は、競合環境がゆるい、つまり弱いことです。 2017年時点で、リユースビジネス上場企業を全てしらみつぶしに調べました。 当時、時価総額で一千億円、営業利益では百億円の利益をたたき出していた企業はありましたが、なんてこの業界はガリバーがいないのかと思いました。

3.時代が後押しすること

現在、日本の人口は右肩下がりで減少しています。 これはGDPが下がっていくということで、全ての産業が斜陽に傾いて行く。 そんな中、右肩上がりの産業はないのかと調べていたところ、このリユースビジネスはかなり堅調に推移し成長している市場であると判りました。 皆さんご存知のメルカリは個人間で不要な物を売買しあうビジネスを2013年に立ち上げ、リユースビジネス市場をかなり拡大していったという背景もありました。

もう一つは、高度経済成長期、バブル時代は、新入社員だったらまずは新車だろうという価値観。 とにかく日本人というのは新品好き。今の時代はそうではないですよね。中古でも、すごく良い物で使えるのであればスマートでかっこいいという新しい価値観が日本にも備わって来ているし、地球資源を食い尽くしてしまうのではなくて、SDGsのようになるべくサステナビリティを持って後世に残していこうという動きがグローバル規模で起こっている。 リユースビジネスというのは、作っては棄てるという世界ではなくて、良いものはまだまだ使えるのだから、誰か必要な人にそれをきちんと届けましょう、というビジネス。これは時代が後押しするだろうと考えました。

この三つのポリシーは、当時本気で考えていました。 是非この企業を自分で経営してみたい、自分も大きく経営者として成長していきたいということで2017年にこのビジネスを開始しています。

世代を超えた交流

岩田氏のファーストスピーチに続き、皆さんに自己紹介を織り交ぜながらお話をしていただきました。その後の飲食会には22名中16名が参加し、岩田氏を囲み、老若男女、話がはずみました。

 
岩田氏を囲んだ飲食会

16名が残り、話に花を咲かせました。