263. 恩田侑布子氏(91期)が新著を上梓 (2022.5.1)

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現代俳壇を代表する恩田侑布子氏(91期)が新著を上梓しました。

◆『渾沌の恋人(ラマン)―北斎の波、芭蕉の興』(春秋社刊)

「巻き込まれ、広がる渦」「あった、何が興奮が。分断を超える日本文化論」――

冒頭の書き出し「芭蕉は女の人を恋したことがあったのかしら」から惹き込まれます。詩人らしい歯切れ良い文体で、率直で親しみやすい肉声も伝わります。人間を含む森羅万象への細やかな愛情も半端ではありません。読み進むうちに「恩田ワールド」が広がり、芳醇な気分になりました。
葛飾北斎、鳥獣戯画、花の小面、阿弥陀二十五菩薩来迎図、狩野永徳、クリムト、雪舟、伊藤若冲などの絵図グラビアと一言評論も楽しめます。
――芸術選奨文部科学大臣賞・ドゥマゴ文学賞受賞者による、8年がかりの魂の結晶!
十七音の芸術表現を起点に、浮世絵、絵巻、茶の湯、能、西洋美術、哲学・宗教思想…
俳人の筆は領野をまたぎ時空をこえ、縦横無尽に芸術・文学の源泉へと分け入る。なりかわり、のりうつるところに生ずる美とは。日本人の美意識の深遠に迫る斬新な芸術評論・日本文化論。(春秋社刊=2300円+税)
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なお「あとがき」に95期の3人(坂井則之・島田淳・見原万智子氏)の校正協力への謝意が示されています。

『渾沌の恋人』読書ノート

また、樸(あらき)俳句会 HPに、川面忠夫氏(75期)ご執筆の「『渾沌の恋人』読書ノート」が掲載されました。大著を真剣に謙虚に読み込んだ、作句のご経験豊富な川面氏ならではの長編読書ノートです。ぜひお読みください。
恩田侑布子『渾沌の恋人ラマン』(春秋社)読書ノート1
恩田侑布子『渾沌の恋人ラマン』(春秋社)読書ノート2
恩田侑布子『渾沌の恋人ラマン』(春秋社)読書ノート3
恩田侑布子『渾沌の恋人ラマン』(春秋社)読書ノート4