25. 第34回関東同窓会総会・懇親会開催(2008.7.5)

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平成20年度の関東同窓会総会が、2008年7月5日午後6時より、一昨年昨年と同じく竹橋のKKRホテルで開催されました。

総会につづいて、恒例の同窓生による講演会は、日本を代表するブランド・キリンビールグループのキリンホールディングス社長の加藤壱康氏(80期)にお願いしました。

・加藤壱康氏講演要旨 テーマ 「キリン百年の歴史の中で」

人宿町2丁目の商家に長男として生まれ家業を継ぐつもりでいたが、商売があまりうまくいかない時代となり、就職することになった。その当時ビールは高級品だったが、飲めばおいしくこれから伸びる業種にちがいないと思いキリンビールに入社した。

懐かしいキリンラガービール


入社した1968年ころはビール業界でのシェア60%超というガリバーになっていた。1986年からキリンUSAに出向し1993年に日本に戻ってきた。ところが、その間1987年にアサヒスーパードライが発売され日本に戻った1993年ころはアサヒにぐんぐん追い上げられていた時期でもあった。そして2001年には本社の営業部長になったが、その年はアサヒにシェアトップの座を明け渡した年でもあった。そこでどうしたら盛り返せるかを模索したが、まず自分たちのルーツを探ることにした。

1907年にキリンが創業したときは大日本麦酒が70%のシェアを握るガリバーとして君臨していた。

大日本麦酒のポスター

そんな状況で追いつき追い越すためには「品質本位でいいものをお客様に提供する」しかないという考え方で出発したことがわかってきた。したがってその後も営業面より生産面に注力して高品質なビールを提供することを第一に考えてきた。そのため販売店へのインセンティブなどはやってこなかったが、シェアを落すにつれて他メーカーに追随して大量の販売奨励金を出すようになっていった。しかし、やりつけないことをやっても成果が上がらず悪循環におちいってしまったいたのがその頃の状況だった。

そのような現状がつかめたためもう一度創業以来のDNAにもどることにしインセンティブに頼らず、品質本位という平凡なDNAに回帰することにした。そしてそれを具体化するプロセスとして社内に「ダーウィン・フォーラム」「ケネディ・フォーラム」「コンバット・フォーラム」という社員の集まりが段階的に形成され、社員に意識の共有化ができた。その結果、2006年度売り上げ1兆6千億だったものが、2007年度に2兆3千億と売り上げを伸ばすことが出来た。

DNAに基づかない事業展開は失敗する うまくいかないときはDNAを探してそこに戻る

ということが大事だと感じる。日本全体もうまくいかなくなってしまっているが、日本のDNAに戻ることが必要な時期にきているのではないか。

静高93期しりあがり寿氏デザイン キリン一番絞り


本年度の総会の運営当番期は86期でした。成岡和美氏はじめ86期同窓生の皆様ありがとうございました。