静高77期で文教大学名誉教授の中川素子氏がスポーツと絵本を結びつけたユニークな本を2冊上梓されました。
『スタシスさんのスポーツ仮面』表紙カバー(岩崎書店)
日本児童文学学会賞奨励賞受賞の中川氏の最新の成果で、『スタシスさんのスポーツ仮面』の帯には為末大さんのすてきなコメントも寄せられています。
『スポーツする絵本』表紙(岩波書店)
- 『スタシスさんのスポーツ仮面』岩崎書店(2018,12,15)
- 『スポーツする絵本』岩波書店(2019,1,29)
以下中川氏からのご案内です。
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スポーツと絵本を結びつけた本は今までになく、絵本の視覚表現性、またブック・アート中心に現代美術について書いてきた私だが、この2册で絵本とスポーツを結びつけてみた。オリンピックも近づいてきたが、単に一過性のものでなく、スポーツの本質と絵本の魅力をより広げたいと思ってのことだ。 『スタシスさんのスポーツ仮面』は、リトアニア生まれでポーランド在住の世界的アーティスト、スタシス・エイドリゲーヴィチュスに絵を描いてもらい、スポーツ音痴の私が、それぞれの種目について調べたものである。 調べる中で、イギリスなどで昔はモグラの穴をゴルフに利用していたこと、中世の騎士道文学によく出てくるフェンシングは、17世紀の『三銃士』では近距離のみで、遠距離にはマスケット銃を使うなど、興味深い事実をいっぱいみつけた。 高学年から大人までは、スポーツの歴史、ルール、トピックスなどを読んでいただければと思うが、幼児にはスポーツに何となく興味をもってもらえるような文を大きな文字で印刷している。たとえば、愛犬とサッカーをしている子が「メルは、前足を使うけど、前足は手じゃないから、反則じゃないよ」など。 為末大さんが帯に「スタシスさんの絵本を読むと、スポーツをもっと遊んでいいって、そんな気分になってくる。」と書いてくれたが、まさにそのとうり、スタシスさんの不思議な絵で遊びつつ、想像力を深めていただきたい。 『スポーツする絵本』は、スポーツをテーマの絵本60册について書いている。さまざまなものがあり、「体を動かす楽しさ」「運動会からオリンピックまで」「自分にうちかつ」「伝統の力」「スポーツと社会」など10項目にまとめてみた。また、60册以外の絵本索引も入れたので、学校や地域でイベントなどする時に役立てていただければと思う。