平成17年度の関東同窓会総会が、2005.年7月8日午後6時より、今年は四谷の弘済会館にて開催され、座りきれないほどの盛況で数多くの岳南健児健女が集いました。また、東京在住の大学1年・4年という若手世代も参集し若い息吹きを吹込んでくれました。
総会での毎年の楽しみは同窓生による講演。今年の講師は88期の姫野友美氏。静高では女子バレー部主将として活躍、東京医科歯科大に進学し、現在は「ひめのともみクリニック」院長のかたわら、数多くの著書の出版やTVのバラエティ番組への出演など超多忙な活動をこなす才色兼備のスーパーウーマンです。
・姫野友美氏講演要旨 テーマ 「歳をとっても脳細胞は増える」
(1)定説は覆された・・・「脳細胞は新生する」
今までは「脳細胞は毎日十万個死んで行く、人生はいわばゆるやかな脳死のようなもの」というのが定説だったが、1998年スウェーデンで成人の脳の「海馬」というところで脳細胞(ニューロン)が生まれていることが発見された。 新生ニューロンは2001年東大久恒博士のサルを対象とした実験によっても確かめられている。
(2)新生ニューロンの効用 [A] 記憶力思考力など高める(ミラーニューロン) [B] 嫌な記憶を消去してくれる(ニューロンの可塑性 ) [C] 抗うつ作用がある(ストレスホルモン分泌の抑制)
(3)脳内伝達物質が快感をひき起こす ところで頭がはたらくとはどういうことなのだろうか。脳細胞(ニューロン)で何が起きているのだろうか。 刺激を受けると、ニューロンとニューロンの間にはシナプスという枝のようなものが出来、そこを脳内伝達物質が行き来して情報伝達が行われる。
脳内伝達物質の中で快感を起こさせるのは [A] ドーパミン:わくわくドキドキ気分 [B] セロトニン:ほのぼの気分 [C] ノルアドレナリン:やる気まんまん [D] βエンドルフィン:ハッピー気分
ニューロンに刺激が増えるとシナプスも増える。シナプスが増えると情報伝達物質が流れやすくなり、 [イ] 脳の回転がはやくなり [ロ] 記憶力が高まり [ハ] 思考力適応力が高まる
(4)「うつ」とは 「うつ」状態とは、何らかの原因で [A] 情報伝達物質が少なくなり [B] ニューロンとニューロンが繋がらなくなる そのため、記憶力が衰え、気力がなくなり、ぼうっとして何も頭に入ってこなくなる。 伝達物質が再吸収されるのを防ぐ機能をもっているのが抗うつ薬。「うつ」と診断されるとまわりの目が気になるので病院に行かずもっと悪くなってしまうケースが多い。薬を飲めば情報伝達が活性化されるので症状は急速によくなる。気軽に診察を受けることをお勧めする。
(4)新生ニューロンを増やすには 恋をすると新生ニューロンが増える。
[A] 性ホルモンは脂溶性なので脳細胞に直接作用 [B] 脳の栄養因子をふやす [C] 恋を成就させるために脳がフル回転し新生ニューロンが増える 恋以外にも
[イ] 食事(朝食・噛む・アミノ酸・納豆・おいしいもの) [ロ] 運動(ウォーキング・深呼吸・音読) [ハ] 休養(笑う・お風呂・マッサージ) [ニ] 睡眠(不眠は脳にダメージ・昼寝を30分でも) [ホ] 生きがい(夢・目標・おしゃれ) などが脳の活性化に効果的。
脳細胞の無数のシナプスを縦横にドーパミンが行き交う様が目に見えるような、快調なテンポの姫野氏の講演でした。活性化されていない我が脳味噌もこの講演の刺激でシナプスが1個くらいは増えたかも知れません。
姫野氏の令息は甲子園をめざす球児だそうで、そのためには激選区の東京より静高へ行った方がいいと静高へ進学を決めたそうです。親子そろってのご活躍を祈念します。
今までの講演者のご紹介 平成11年・・・山川静夫氏(67期) 平成12年・・・三木卓氏(70期) 平成13年・・・武村千鶴氏(69期) 平成14年・・・齋藤孝氏(95期) 平成15年・・・村松友視氏(75期) 平成16年・・・石山建一氏(77期) 平成17年・・・姫野友美氏(88期)
本年度の総会の運営当番期は83期でした。昨年までの中央大学駿河台記念館から弘済会館に場所をうつし、記念講演にスライドを使ったり、応援歌にもプロジェクタ使用したりと、わかりやすく楽しい総会になりました。西野直樹氏はじめ83期同窓生の皆様ありがとうございました。