15.第30回関東同窓会総会・懇親会開催 (2004.7.9)

by Shizuko kanto almuni — on

平成16年度の関東同窓会総会が、2004.年7月9日午後6時より、昨年と同じくお茶の水の中央大学駿河台記念館にて開催され、数多くの岳南健児が集いました。

 今年は3年任期の役員改選の年にあたり、会長が今までの上杉重吉氏(60期)から清水汪氏(59期)にバトンタッチされ、その他副会長に67期小島氏、71期浦田氏、77期野方氏(留任)、監事に74期松下氏、89期鳥巣氏(留任)という新陣容が総会で承認されました。

 新会長の清水氏は旧制静高から東大に進学し大蔵省入省、環境事務次官、地球人間環境フォーラム理事長、静岡精華学園理事長など要職を歴任。「同窓会は、そこに来れば安心感が得られ自信がもてる、そんな心のよりどころだし、そのようなことのサポートをしていきたい」と新任の挨拶をされました。

 恒例の同窓生による講演は77期の石山建一氏。1960年の夏の甲子園準優勝のときの主将をつとめ、その後日本のアマ及びプロの野球に非常に大きな実績を残し貢献をされました。

石山建一氏講演要旨

(1)野球人生のきっかけは中学に柔道部がなかったこと

柔道をやりたかった石山氏は進学した高松中学に柔道部がなくやむなく野球部に入部する。そのとき静高は甲子園出場を果たしたが1回戦で負けてしまう。そのニュースを聞いた顧問の先生は「静高は坊ちゃん学校だから甲子園では1回戦ボーイなんだ。」と嘆いていた。それを聞いた石山氏は「それなら自分が静高に入って汚名返上する」と猛練習を開始する。

久能山の1159段の石段を重い石を持って駆け上がる。右手左手200回の握力トレーニングを毎日欠かさないなど、近所の人は石山のせがれは頭がおかしくなったんじゃないかとうわさしたという。

(2)目標を持つことの大事さ

甲子園に出場しそこで勝ち進むために今何をすべきかということを考えて日々の練習に励んだ。

あのイチローは大リーグに行く4年前から大リーグ用の大きなボールで練習をして準備していたという。目標を持ちそれを達成するためにはこの1年で何をしたらよいか、或いはこの1月でこの1週間でこの1日で何をすべきなのか。目標と準備を怠らないことが大事。(ちなみにイチローを見い出したのは早大時代に石山氏の3年後輩となる三輪田スカウトとのことです)

(3)輝かしい球歴

甲子園に出場し決勝まで勝ち進み柴田投手(後に巨人)の法政二高とあたり、準優勝をし、遊撃手としてベストナインに選ばれる。その後早稲田大学、日本石油で優勝。日石では7年の現役活動の後引退。

(4)名伯楽として活躍

日石時代から母校早大野球部監督の話が来ていたが現役引退とともに日石を退職し早大の監督に就任。江川、植松らの法政大黄金時代に対抗して、早大ではスピード野球を実践、松本匡史(後に巨人)の素質を見い出し外野から三塁手にコンバートし成功をおさめる。またポスト松本には高校時代から岡田彰布(後に阪神)に注目し早大進学後英才教育を施し打者としてまたチームリーダーとして育てる。

(5)「プリンスホテル」チーム立ち上げに尽力

日石社員という安定した職を辞し早大監督に就任するときに後ろ楯になってくれたのが早大の先輩である西武の堤義明氏。父の堤康次郎氏から野球には手を出すなと言われていた義明氏だが、早大監督として実績を重ねて行く石山氏を見て野球チームが欲しくなりノンプロでプリンスホテルを立ち上げる。もちろん監督は石山氏。プリンス時代にも名伯楽ぶりを発揮し、石井浩郎(後に近鉄)、藤井康雄(後にオリックス)などを育てる。

そして、西武ライオンズ立ち上げのときは所沢の西武球場のつくり方をアドバイス。設計は世界的建築家池原義郎氏。(池原氏は大学、ホテル、遊園地、住宅など様々な種類の建築を設計しユニークできめ細やかに訪れる人の五感に訴える素晴らしい建築を数多く設計している。日本建築学会賞受賞。しかし当時建築家が野球場の設計をするということは極めて珍しいことだった。)池原氏は野球場の設計は初めて。そこで石山氏がアドバイザーとなる。観客が楽しめるようにホーム・センターの位置を逆転、球場以外の練習施設の配置充実、将来を見据えドームが架けられるような構造など野球専門家の目で様々な助言をしたという。

日本を代表する建築家池原義郎氏設計の西武球場
自然に包み込まれたような
とても美しいスタジアムだった


また、野茂、古田らを擁する全日本チームの監督として世界大会準優勝。

(6)巨人の編成部長として敏腕ぶり発揮

松井秀喜のスローイングの問題を指摘、このままでは肩を傷め打撃にも悪影響があると予測し松井の投げ方を修正し、その後の松井がコンスタントに活躍できるようサポート。また2軍監督に松本匡史を起用しイースタンでの優勝を演出。

(7)熱心なファンの多い静高野球部

多彩で輝かしい経歴を一段落し、久し振りに母校静高野球部を見る機会が増えてきた。そこで気がついたのは熱心なファンの多い静高野球部の人気の高さ。それは意外な落とし穴にもなっている。ファンは土日の練習試合でも静高に勝利を期待するし、エースが投げるのを見てみたいとも期待する。その期待に応えようとしてエースに無理をさせて結局肩やひじの故障を招いてしまう。甲子園で勝つことが一番のファンサービスと考えて普段は無理をしないことが大切と提唱しており、今はそうなりつつある。

・・・

日本球界の大立者・石山氏のスポーツマンらしい歯切れの良いスピーチと論旨明快で説得力のある内容に同窓生もすっかり魅き込まれた1時間でした。母校の甲子園出場と活躍に期待しましょう。

今までの講演者のご紹介

平成11年・・・山川静夫氏(67期)
平成12年・・・三木卓氏(70期)
平成13年・・・武村千鶴氏(69期)
平成14年・・・齋藤孝氏(95期)
平成15年・・・村松友視氏(75期)
平成16年・・・石山建一氏(77期)



本年度の総会の運営当番期は82期でした。統括の田畑秀典氏ほか82期同窓生の皆様ごくろうさまでした。また82期の名物男軍艦旗応援の増井一之さん、遠路関東同窓会応援に駆け付けていただきありがとうございました。